大事な学び

北海道大学付属植物園  

Botanical garden attached to Hokkaido University

1989(平成元)年には博物館本館等が国の重要文化財に登録されました。

我が国最古の博物館

明治15年開業の日本最古の博物館であり、国の重要文化財です。北海道開拓使が札幌博物場として建てた建物で、同17年札幌農学校に移管された。入り口を入ると大きなガラスケースの中に大きな爪を持ったクマが出迎えてくれます。明治11年に「丘珠事件」という、札幌市内を縦走する丘珠から白石まで駆け巡り3人もの被害者を出したヒグマのはく製です。当時の札幌農学校の学生が解体解剖し、一部クマ肉の試食し、のちに胃袋から殺害された人体の一部が出てきて、皆嘔吐したと言うエピソードがあるそうです。

 解剖担当者は、当時札幌農学校に在籍していた新渡戸稲造であるといわれている。このクマの剥製は開拓史博物館に仮保存され、明治天皇も見学した。その後、クマの胃の内容物をアルコールに漬けて保存したものとともに、現在でも北海道大学付属植物園に保存されている。

今でも毎年、札幌ではクマ出没します。それだけ、自然豊かで、ヒグマなどとの共生もできているのだと思いますが、けが人なども出ますから、恐ろしいですよ。明治期のクマの事件は本当に凄まじい。他にも絶滅した蝦夷オオカミのはく製もあります。これは当時北海道の畜産産業の育成に貢献した米国人エドウィンダンが子羊や子牛が殺されることを防ぐ為に毒薬で皆殺しにしてしまいました。其のせいもあるのかもしれませんが、植物連鎖が歪み、エゾシカのの食害が現在の問題になっています。高倉健さんの映画「南極物語」でも話題になった、「タロウとジロウ」のうちのタロウのはく製もあります。

カラフト犬タロウ、子供の頃、ここに見に来た。池にも落ちた。ビショビショ:泣。
ブラキストン線以北の生き物

札幌の中心部に今も原生林の一部を残す北大植物園。札幌農学校初代教頭のクラーク博士がその必要性を強く提唱した市民の貴重な財産です。是非、ご覧いただければ幸いです。

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再会したタロ、ジロと第3次隊員北村泰一さん=北村さん提供 西日本新聞
植物園全体図
牧羊場にあった自然湧水経路を利用
物産陳列場付近が植物園ですね。
北大 キャンバス

北大のクラークの台座のオオオニバス。

 博士が当時、ドイツのゲッチンゲンにある大学で博士号を取得からの帰国の折り、ロンドンのキュー王立植物園にて、稀に見られる温帯では、最大とされるオオオニバスの開花のニュースに触れ、それを直に観察され、植物の奥深さに感銘を受けることになったそうであります。  元々は鉱物学者が植物学者へと多才なる人物、クラーク博士は地元マサチューセッツ農科大学や、極東のこの地、札幌農学校の学び子にも、是非にも、自らの感動と、植物学を学ぶ礎としての植物園設置を強く薦めたようです。

シンビジウム属

自然の丘陵、植物園の耳
と呼ばれる水源

石狩平野豊平川扇状地の自然地形をそのままにした植物景観、特に博物館等を含めた歴史的 文化財建造物周辺の遊水池、樹林、林床等に生育する植物景観を生態学的展示庭園として 維持保全することにあります。ここに流れる水系は従来の札幌の自然水系で、特に右下部分はその形状から「植物園の耳」と呼ばれているらしいです。

農学校二期生宮部金吾
北大図書館所蔵
宮部金吾記念館

 宮部金吾は、農学校卒業後1883年助教として、農学校で教壇に立ちながら、その設立の準備に道内各地を探索をしておりました。宮部は植物園に導入する生株とさく葉標本室の核となる標本を採集するために1884年6月から8月に調査旅行を行いました。そのルートは日高地方を南下して東海岸を通り北見地方まで北上し、さらに千島列島の色丹島、択捉島、得撫島に及びました。宮部がこの採集旅行で日高静内にて採集し、ロシアの研究者カール・ヨハン・マキシモヴィッチによって新種記載されたクロビイタヤ(ムクロジ科・旧カエデ科)は、北大植物園のシンボルマークとなっています。

 後に、ハーバード大学に留学し、「千島植物誌」を学位論文として、博士号を受け、今度は、教授となって、帰校をします。

 1886年、日本初の「近代的」植物園として札幌農学校植物園は開園しました。1900年、植物園が官制公認され、宮部が初代附属植物園長に就任しました。

 当時は温室と博物館だけを日時を定めて公開し、植物園は市民が自由に出入りすることができました。しかし、学術管理上の支障が生じたため、1909年に園の周囲に垣を設け、正門脇に門衛所を設置しました。1911年からは、門衛所で入園料2銭を徴収することになりました。

 2001年設置のロックガーデンは、大雪山系トムラウシ山八合目をモデルとして、近郊の張碓より、3000個の火成岩を運び入れ、再現しています。

北海道大学植物園 
〒060-0003 北海道札幌市中央区北3条西8丁目
      電話:011-221-0066  FAX011-221-0664
      代表メーhubg@fsc.hokudai.ac.jp
開園時間  
  4/29~9/30 9:00~16:30 (入園は16:00まで)
  10/1~11/3 9:00~16:00 (入園は15:30まで)
休園日   月曜日(祝日の場合は開園、翌日が振替休園日)
料金    一般 16才(高校生)以上  : 420円
    7~15才(小中学生): 300円
    6才以下(未就学児) :無料

※ 来園情報 
休館中11月4日(木)から全館閉園します。
   室内の換気および植物生育温度の保持が困難となるため、冬期は全館閉園します。

 

  豊平河原、現今の植物園、農園の付近等植物採集には実に好適地であった。(札幌)区外に少しく出ると珍しい植物を得ることが出来た。その頃の学生は一般に植物を盛に採取し学校の方でも殆ど一の課業として各自に植物二百種位の採取を命じた。特に僕は前より此の方には非常に趣味を有せる故、四年間暇さえあると採取に出掛けた。このような訳で友人も珍しい草があると僕にくれ卒業の時は札幌付近の植物五六百種も集めた。之に名称を附し(明治)十四年に東京に開設せる第二回内国勧業博覧会に出品する事を学校から命じられた。この標本にそへて北海道植物目録を出品して為に褒状を受けた。これは在学中のことである。    『文武会会報』第55号 とあります。

札幌の中心部に残る原生林の面影、そこに彩りを添える花々、かつては自由に出入りできたのですよ。
北方民族資料室
貴重な資料をご覧ください。
入場券を販売している建物が北方民族資料館です。
明治34年博物館事務所 重要文化財
ここの敷地の傍にあったジョンバチェラー邸です。中には入れませんが、内部は当時を再現されているようです。
明治44年特徴的な半八角形の守衛所が入口傍にあります。
卒業生 真ん中が宮部金吾先生

 ジョンバチェラーは民俗学者でアイヌの研究家であり、八重子というアイヌの才女を養女として迎えたそうです。同じ民俗学者であった、平取のマンロー先生とアイヌのお祭りである、「クマ送り」について、激しい動物愛護か、伝統的文化を守るかの論争があったそうです。人間の思惑には当時も今も辟易するような言い合いは尽きませんね。あっ、両先生、不謹慎なことを申し上げました。申し訳ありませんでした。

一息つける休憩場所もおしゃれですね。
北大のキャンパス内でも大活躍中です(^^♪
トヨタも日産も元々エンジンは作っていません。
ヰセキとヤンマーが供給していたそうです。

ここが200万都市の中心部であることを忘れてしまいます。かつて派兵も無く、市民出入りが自由であったらしいですが、やはり学問研究の場でもあり、種の保護の観点からもしっかりと管理するという事に力点を置いたという事なのだと思います。おかげで、入場者が限られ、守るべきものが守られているようです。時々、来てみますが、子供時代の札幌の様に自然が普通にあって、安心できます。そのころはほんとに近所に湧水が普通にたくさんあって、札幌は水の都でありました。

ロックガーデンは水の動きが美しい。
北海道各地の高山植物の展示も充実しています。

熱帯植物の温室展示

研究機関ですから、南方系の植物もその対象になるのは当然ですが、普段見ることが出来ない不思議な植物もたくさん見ることが出来ます。特に子供達には大変興味深く、植物への関心が引き起こされれば、未来のクラーク博士になるのかもしれませんね(^^♪

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